『「ポリヴェーガル理論」を読む -からだ・こころ・社会-』は、津田真人氏によるポリヴェーガル理論の包括的な解説書です。
本書は、自律神経系の進化や機能を深く掘り下げ、心身と社会の相互関係を探求しています。
出版情報
出版社 | 星和書店 |
著者 | 津田 真人 |
発売日 | 2019年6月3日 |
ページ数 | 636ページ |
ISBN-10 | 4791110137 |
ISBN-13 | 978-4791110131 |
本の概要
本書は、米国の神経科学者スティーブン・ポージェス博士が提唱したポリヴェーガル理論を中心に、自律神経系の構造と機能、特に迷走神経の役割を詳しく解説しています。
著者は、心身の健康と社会的関係性における自律神経の重要性を強調し、理論の臨床応用や社会的影響についても考察しています。
さらに、進化の観点から自律神経系を分析し、心と体、そして社会のダイナミックな連関を提示しています。
著者について
津田真人氏は、1959年東京都生まれの研究者であり、心身社会研究所「自然堂」治療室・相談室を主宰しています。
一橋大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学後、東洋鍼灸専門学校を卒業し、精神保健福祉士、鍼灸師、あんま・マッサージ・指圧師、ゲシュタルト・セラピスト、ソマティック・エクスペリエンシング®認定プラクティショナーなど、多彩な資格と経験を持っています。
その幅広い知識と経験を活かし、本書ではポリヴェーガル理論を多角的に分析しています。
評価と感想
読者からは、「難解な理論をわかりやすく解説している」「心身の相関だけでなく、社会との関係性も考察しており、非常に興味深い」といった高評価が寄せられています。
一方で、専門的な内容が多く含まれているため、「神経科学の知識がないと難しく感じる部分もある」との意見もあります。
全体として、ポリヴェーガル理論に興味がある読者や、心身医学、心理学、社会学に関心を持つ専門家や学生にとって、貴重な参考書となっています。
重要なポイント
本書の中で特に注目すべき章は、第9章「拡大ポリヴェーガル理論へ」です。この章では、ポリヴェーガル理論のさらなる発展と、その応用可能性について詳しく論じられています。
また、「社会神経系」と「社会脳」の概念を取り上げ、心身と社会のつながりを新たな視点から考察しています。
これらの内容は、読者にとって新たな洞察を提供し、理論の実践的な応用に役立つでしょう。
まとめ
『「ポリヴェーガル理論」を読む -からだ・こころ・社会-』は、自律神経系と心身の健康、そして社会的関係性に関する深い洞察を提供する一冊です。
著者の幅広い知識と経験に基づく詳細な解説は、読者に新たな視点をもたらし、ポリヴェーガル理論の理解を深める助けとなります。
心身医学や心理学、社会学に興味がある方、または臨床現場での応用を考えている専門家にとって、おすすめの書と言えるでしょう。