
出版情報
出版社 | 三一書房 |
著者 | 高橋一郎・佐々木守 |
発売日 | 1997年10月30日 |
ページ数 | 238ページ |
ISBN-13 | 978-4380972867 |
本の概要
『ジャズ旋風 戦後草創期伝説』は、第二次世界大戦後の日本でモダンジャズがどのように伝播し、発展してきたかを描いたインタビュー集です。
本書では、渡辺貞夫や原信夫、秋吉敏子といった日本ジャズ界の黎明期を支えたミュージシャンたちの証言をもとに、昭和20年代から30年代の時代背景や音楽文化が鮮明に描かれています。
ジャズが日本に根付く過程とともに、その時代を生きた人々の情熱や挑戦が語られています。
著者について
著者の高橋一郎と佐々木守は、日本の音楽文化や戦後史に詳しい執筆者として知られています。
特に高橋一郎は戦後の文化動向を追う記事や評論に携わり、佐々木守は多方面で執筆活動を行い、戦後の社会や文化に独自の視点を投じています。
この本では、彼らの深い洞察力と、インタビューを通じた生々しい証言の記録が特徴です。
評価と感想
本書は、日本におけるジャズの歴史に興味がある人々にとって貴重な資料です。
当時のミュージシャンの生きた声が収録されており、読者にその時代の熱気と挑戦の精神を伝えます。
また、戦後日本の文化的変化に興味を持つ読者にもおすすめです。
一方で、音楽理論や演奏の技術的な詳細よりも、当時の社会背景と文化に焦点を当てているため、音楽そのものを深く学びたい人には少し物足りないかもしれません。
重要なポイント
本書の中で特に印象的なのは、秋吉敏子が語る戦後のアメリカ体験です。
彼女がジャズの本場で受けた影響と、日本に戻ってからの活動の中で直面した課題が、戦後の日本と世界の文化交流のあり方を象徴しています。
この章は、日本ジャズ史の重要な転換点を理解する上で欠かせないものです。
まとめ
『ジャズ旋風 戦後草創期伝説』は、戦後日本の音楽文化を知る上で欠かせない一冊です。
当時の情熱や挑戦を伝える証言集として、音楽ファンや文化史に興味のある読者に特におすすめです。
この本を通じて、ジャズという音楽がどのようにして国境を越え、人々の心に根付いたかを実感できるでしょう。