
『運命の人』は、山崎豊子による長編小説で、全4巻から構成されています。第2巻は、2009年4月25日に文藝春秋から発売されました。
出版情報
項目 | 詳細 |
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出版社 | 文藝春秋 |
発売日 | 2009年4月25日 |
ページ数 | 432ページ |
ISBN | 978-4-16-328120-9 |
本の概要
『運命の人』は、1970年代の沖縄返還を巡る日米間の密約問題を題材に、国家権力とジャーナリズムの対立を描いた作品です。主人公の弓成亮太は、毎朝新聞社の政治部記者として、沖縄返還交渉における密約の存在を突き止めます。彼は外務省の事務官である三木昭子から機密文書を入手し、スクープを狙いますが、その過程で国家権力からの圧力や自身の倫理観との葛藤に直面します。物語は、彼の挫折と再生を通じて、報道の自由や国家機密の在り方について深く問いかけます。
著者について
山崎豊子(やまさき とよこ)は、日本を代表する小説家で、社会派作品を多く手掛けています。代表作には、『白い巨塔』や『華麗なる一族』などがあり、社会の深層や人間の業を鋭く描き出す作風が特徴です。『運命の人』は、彼女の晩年の作品であり、取材と執筆に約8年を費やした渾身の作となっています。
評価と感想
『運命の人』は、国家と報道機関の緊張関係をリアルに描き、多くの読者から高い評価を受けています。特に、主人公の弓成亮太が直面する困難や葛藤は、現代のジャーナリズムの在り方を考える上で示唆に富んでいます。また、山崎豊子ならではの綿密な取材に基づく描写は、物語に深みを与えています。
重要なポイント
物語の中で、弓成亮太が入手する機密文書は、沖縄返還に関する日米間の密約を示すものであり、これが物語の核心となります。この文書を巡る攻防や、それによって引き起こされる人間関係の変化が、作品全体の緊張感を高めています。
まとめ
『運命の人』第2巻は、物語の中盤として、主人公と国家権力との対立が本格化する重要な部分を描いています。山崎豊子の社会派小説の真骨頂とも言える本作は、報道の自由や国家機密の問題に興味がある読者にとって、必読の一冊です。