野分の章 大西民子歌集

出版情報

項目詳細
出版社短歌新聞社
発売日1978年
ページ数256ページ

本の概要

『野分の章』は、歌人・大西民子の第四歌集で、1978年に刊行されました。​この歌集には、彼女が経験した人生の悲哀や孤独、そしてそこから生まれる深い感情が繊細に詠まれています。​特に、家族との別離や自身の内面的な葛藤が、幻想的かつ象徴的な表現で描かれています。​

著者について

大西民子(1924~1994)は、岩手県盛岡市に生まれ、戦後を代表する女流歌人の一人です。​埼玉県職員として県立文化会館や県立図書館で働きながら、短歌の創作を続け、生涯で9冊の歌集を刊行しました。​彼女の作品は、個人の内面や日常の出来事を深く掘り下げたもので、多くの読者から共感を得ています。​また、1992年には紫綬褒章を受章し、その功績が広く認められました。​

評価と感想

『野分の章』は、大西民子の作風が成熟期に達した作品として評価されています。​彼女の詠む短歌は、現実の悲しみや孤独を超えて、普遍的な人間の感情に迫る力を持っています。​そのため、同じような境遇や感情を抱える読者にとって、心の支えとなる一冊と言えるでしょう。​

重要なポイント

この歌集の中で特に印象的なのは、家族との別離や孤独をテーマにした作品群です。​例えば、妹の死を詠んだ歌や、自身の孤独感を象徴的に表現した歌などが収められており、読む者の心に深く響きます。​

まとめ

『野分の章』は、大西民子の深い感性と独自の視点が凝縮された歌集です。​彼女の作品を通じて、人間の内面的な感情や生きることの意味について考えるきっかけを与えてくれます。​短歌や日本文学に興味のある方はもちろん、心の奥底に響く詩を求める全ての読者におすすめの一冊です。