『高峰秀子かく語りき』は、昭和の大女優・高峰秀子が、24歳から78歳までの間に行った対談を集めた書籍です。​本書は、彼女が各界の著名人と交わした対話を通じて、その人柄や時代背景を浮き彫りにしています。​

出版情報

項目詳細
出版社文藝春秋
発売日2015年6月22日
ページ数576ページ
ISBN978-4163902678

本の概要

本書には、高峰秀子が昭和23年(1948年)の長谷川一夫との対談から、平成14年(2002年)の沢木耕太郎との対談まで、全45組、延べ74名との対話が収録されています。​対談相手は、俳優、文学者、政治家など多岐にわたり、例えば長谷川一夫、田中絹代、谷崎潤一郎、志賀直哉、河野一郎、梅原龍三郎などが名を連ねています。​これらの対話を通じて、高峰秀子の鋭い洞察力や知性、そして彼女自身の人生観が伝わってきます。

著者について

高峰秀子(1924年—2010年)は、5歳で映画デビューし、生涯で300本以上の映画に出演した日本を代表する女優です。​また、随筆家としても活躍し、その文章は多くの読者に親しまれています。​本書の編者であり解説を担当した斎藤明美氏は、高峰秀子の養女であり、彼女の人生や作品に深い理解を持つ人物です。

評価と感想

本書は、高峰秀子の対談を通じて、昭和から平成にかけての日本の文化や芸能界の変遷を垣間見ることができる貴重な記録です。​彼女の歯切れの良い語り口や、対談相手との率直なやり取りは、読者に新鮮な驚きと共感を与えます。​また、対談相手の多彩さから、各界の著名人たちの人となりや当時の社会情勢も感じ取ることができます。​

重要なポイント

本書の中でも特に注目すべきは、高峰秀子が映画監督の成瀬巳喜男と19本の作品で主役を務めながらも、「口を利いたことがない」と明かしている点です。​また、俳優の池部良に対して「映画で接吻なんか一度もしません」と語るなど、彼女のプロフェッショナルな姿勢や当時の映画制作の一端が垣間見えます。​これらのエピソードは、彼女の仕事に対する真摯な姿勢や、映画界の裏側を知る上で非常に興味深いものです。

まとめ

『高峰秀子かく語りき』は、高峰秀子が各界の著名人と交わした対談を通じて、彼女の人柄や時代背景を深く理解できる一冊です。​昭和から平成にかけての日本の文化や芸能界に興味のある方、また高峰秀子のファンにとって、非常に価値のある書籍と言えるでしょう。