『6羽のかもめ』は、1974年から1975年にかけて放送されたテレビドラマで、劇団「かもめ座」の団員が6人に減少した状況で、芸能界での奮闘を描いた作品です。
このドラマのシナリオは、1983年に理論社から『倉本聰コレクション5 6羽のかもめ』として出版されました。
出版情報
項目 | 詳細 |
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出版社 | 理論社 |
発売日 | 1983年 |
ページ数 | 334ページ |
本の概要
本書は、テレビドラマ『6羽のかもめ』のシナリオを収録しています。物語は、かつて300人の団員を抱えていた劇団「かもめ座」が、団員の大量脱退により6人に減少し、彼らが芸能界で生き残るために奮闘する姿を描いています。テレビ業界や芸能界の内幕を鋭く風刺しており、視聴率競争や番組の質の低下など、当時のテレビメディアが抱える問題を浮き彫りにしています。
著者について
倉本聰氏は、日本を代表する脚本家・劇作家であり、『北の国から』や『前略おふくろ様』など、多くの名作を手掛けています。本書に収録された『6羽のかもめ』も、倉本氏が原案を担当し、テレビ業界への鋭い洞察と批判が込められています。なお、本作は倉本氏が札幌市に転居後、石川俊子名義で発表された作品です。
評価と感想
『6羽のかもめ』は、テレビ業界の内幕を描いた作品として、業界内外で大きな話題となりました。特に最終回の劇中劇『さらばテレビジョン』では、放送作家がカメラに向かってテレビへの愛情と失望を叫ぶシーンがあり、視聴率競争に明け暮れるテレビメディアの病根を鋭く指摘しています。このシーンは、現在でも名シーンとして語り継がれています。
重要なポイント
最終回『さらばテレビジョン』では、政府がテレビ禁止令を出すという劇中劇が描かれ、放送作家が視聴率至上主義に対する批判をカメラに向かって訴える場面が印象的です。このシーンは、テレビ業界の問題点を鋭く突いており、視聴者に強い印象を与えました。
まとめ
『倉本聰コレクション5 6羽のかもめ』は、テレビ業界の内幕を描いた名作ドラマのシナリオを収録した一冊です。倉本聰氏の鋭い洞察と批判が込められた本書は、テレビメディアの在り方を考える上で、今なお多くの示唆を与えてくれます。テレビ業界やメディアに関心のある方にとって、必読の書と言えるでしょう。