『仏教は世界を救うか―“仏・法・僧”の過去/現在/未来を問う』は、井上ウィマラ氏、藤田一照氏、西川隆範氏、鎌田東二氏の4名による共著で、2012年に地湧社から出版されました。

本書は、東京自由大学で行われた連続シンポジウムの講義録をまとめたもので、仏教の根本的な問いを現代的な視点から探求しています。

出版情報

書名仏教は世界を救うか―“仏・法・僧”の過去/現在/未来を問う
著者井上ウィマラ、藤田一照、西川隆範、鎌田東二
出版社地湧社
発売日2012年12月1日
ページ数318ページ
ISBN-104885032210
ISBN-13978-4885032219

本の概要

本書は、「仏とは誰か」「仏法は真理か」「仏教は社会に有用か」という3つのテーマに沿って構成されています。

各著者が自身の経験や知識をもとに、仏教との出会い、経典に基づく思想的な原点の解説、そして教徒の生活集団であるサンガ(僧伽)の意味とその意義の再確認まで、多角的に仏教の全容を語り尽くしています。

これにより、仏教が現代社会においてどのような役割を果たし得るのか、その可能性を探求しています。

著者について

  • 井上ウィマラ: 高野山大学准教授であり、仏教心理学や瞑想法の研究者として知られています。著書には『仏教心理学キーワード事典』などがあります。
  • 藤田一照: 曹洞宗国際センター所長を務め、禅の実践と指導に携わっています。著書には『現代坐禅講義』などがあります。
  • 西川隆範: シュタイナー研究家であり、教育や人智学に関する著作を多数執筆しています。
  • 鎌田東二: 京都大学名誉教授であり、宗教哲学や民俗学の分野で活躍しています。著書には『宗教と霊性』などがあります。

各著者は、それぞれの専門性と視点から仏教の可能性を探求し、本書において深い洞察を提供しています。

評価と感想

本書は、仏教の根本的な問いに対して多角的な視点からアプローチしており、読者に新たな視点と深い洞察を提供します。

特に、各著者の実践的な経験に基づく議論は、仏教が現代社会において持つ可能性と課題を明確に浮き彫りにしています。

仏教に関心のある方や、宗教と社会の関係性を探求したい読者にとって、非常に有益な一冊と言えるでしょう。

重要なポイント

本書の中で特に印象的な章は、第1部の「仏とは誰か」です。

ここでは、各著者が自身の仏教との出会いやブッダに対する理解を深く語っています。

例えば、井上ウィマラ氏は「余はいかにして仏教徒となりしか」というテーマで、自身の求道探究とブッダの教えについて述べています。

この章は、仏教の本質を理解する上で重要な示唆を与えてくれます。

まとめ

『仏教は世界を救うか』は、仏教の基本的な問いに対して深い洞察と多角的な視点を提供する一冊です。

各著者の専門性と実践的な経験に基づく議論は、読者に新たな視点を提供し、仏教が現代社会において果たし得る役割について考える機会を与えてくれます。

仏教や宗教に関心のある方、また現代社会における宗教の役割を探求したい方にとって、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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