『伊勢物語要解(改訂版)』― 文法解明叢書3

出版情報

項目詳細
出版社有精堂出版
発売日昭和44年(1969年)10月

本の概要

『伊勢物語要解(改訂版)』は、日本古典文学の代表作である『伊勢物語』の解釈と理解を深めるために編纂された解説書です。本書は、「文法解明叢書」シリーズの第三巻として、特に文法と語法の解説に重点を置いています。古典文法の体系的な説明とともに、本文の詳細な注釈や現代語訳も収録されており、初学者から専門的な研究者まで幅広い読者に向けた実用的な一冊です。

『伊勢物語』は、平安時代の歌物語で、在原業平をモデルとした主人公の恋愛や人生のエピソードが描かれていますが、本書ではその作品世界をより深く理解するために、文法と表現の精密な分析を行っています。

著者について

著者の此島正年(このしま まさとし)は、日本古典文学と古典文法の研究者であり、文学博士の称号を持っています。彼は古典文学の教育・研究に長年携わり、特に古語や文法の解説において優れた業績を挙げています。『伊勢物語要解』の他にも、同じ「文法解明叢書」シリーズを通じて、多くの古典文学作品の解説書を執筆しています。その明快な説明と緻密な分析は、多くの学習者から高い評価を得ています。

評価と感想

この『伊勢物語要解(改訂版)』についての私の評価は、非常に実用的かつ体系的にまとまった解説書であるという点です。特に、古典文法の細かい解説が豊富で、独学では理解が難しい文法事項も、この本を使えばしっかりと身につけることができます。また、単なる文法書にとどまらず、『伊勢物語』の作品理解や時代背景への言及もあり、読解力の向上に寄与する内容となっています。

古典文学に初めて触れる学生から、研究を深めたい専門家まで幅広くおすすめできる一冊です。

重要なポイント

第1章では、冒頭部分の「昔、男ありけり。」という文章の解釈と、その文法構造について詳細な分析が行われています。「ありけり」という過去の助動詞の使い方や、係り結びの法則が実例を交えて説明されており、古文読解における基礎を固めるための重要な章となっています。

また、中盤の章では和歌の解釈が丁寧に行われており、「名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな」という有名な歌の背景と文法的解釈が、非常に詳しく取り上げられています。

まとめ

『伊勢物語要解(改訂版)』は、古典文学への理解を深めるための必携書と言えるでしょう。特に文法面の解説が充実しており、古典文学を学ぶ上での基礎固めには最適です。また、『伊勢物語』そのものをより豊かに味わうためのガイドとしても活躍します。日本の古典文化や言語に興味がある方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

伊勢物語要解 文法解明叢書3 | サンクル古本文庫

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