映画監督という仕事 (リュミエール叢書)

『映画監督という仕事』は、イタリアの名匠フェデリコ・フェリーニが自身の映画制作哲学や経験を語った一冊です。以下に詳細をご紹介します。

1. 出版情報

出版社筑摩書房
著者フェデリコ・フェリーニ、リータ・チリオ
翻訳者竹山博英
発売日1996年3月25日
ページ数264ページ
ISBN-10448087304X
シリーズリュミエール叢書 24

2. 本の概要

本書は、フェリーニが親交の深かった演劇評論家リータ・チリオとの対談を通じて、俳優論、プロデューサー論、監督論の三部構成で自身の映画制作に対する考えやエピソードを語っています。

特に、俳優との関係性やプロデューサーとの協働、そして監督としての視点から映画制作の裏側を深く掘り下げています。

これはフェリーニの生前最後のインタビューとしても知られ、彼の映画作法や哲学を知る上で貴重な資料となっています。

3. 著者について

フェデリコ・フェリーニ(1920-1993)は、イタリアを代表する映画監督であり、『道』『甘い生活』『8 1/2』など、多くの名作を生み出しました。

彼の作品は、幻想的でシュールな映像美と人間心理の深層を描く独特のスタイルで知られています。

共著者のリータ・チリオは、イタリアの演劇評論家であり、フェリーニと親交が深く、本書では彼の内面に迫るインタビューを行っています。

4. 評価と感想

本書は、映画制作に興味を持つ読者やフェリーニのファンにとって、彼の創作の秘密や映画哲学を知る貴重な手がかりとなります。

特に、映画監督を志す人々にとっては、実践的な知識やインスピレーションを得られる内容となっています。

また、フェリーニの人間的な側面や彼の作品に対する情熱を感じ取ることができ、映画芸術の深さと魅力を再認識させられます。

5. 重要なポイント

本書の中で特に印象的なのは、フェリーニが俳優との関係性について語る部分です。

彼は、俳優を「映画という夢を具現化する存在」として捉え、彼らとの信頼関係を築くことの重要性を強調しています。

また、プロデューサーとの協働についても、創造性と現実性のバランスを取る難しさや、映画制作における妥協と挑戦の連続性を語っています。

これらの章は、映画制作の現場におけるリアルな体験と洞察に満ちており、読者に深い感銘を与えます。

6. まとめ

『映画監督という仕事』は、フェデリコ・フェリーニの映画制作に対する情熱と哲学を深く知ることができる貴重な一冊です。

彼の作品のファンや映画制作に興味を持つ人々にとって、創作の裏側や映画芸術の本質を学ぶ絶好の機会となります。

フェリーニの独特の視点や経験を通じて、映画という芸術の奥深さと魅力を再発見できるでしょう。

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中古 映画監督という仕事 (リュミエール叢書)/フェデリーコ フェリーニ and リータ チリオ/筑摩書房  | サンクル古本文庫

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